2009年5月23日土曜日

【本】教える技術の鍛え方

<樋口裕一・筑摩書房>
・教えるからには、学ぶ側が独立することをめざし、自分で考えることができるようになるために強制しなければならない。その強制と自立との兼ね合いこそが、教えるテクニックのすべてと言っていいだろう。

・わかりやすい説明をするには、どうしたらいいのか
(1)知っていることをすべて教えようとしてはいけ  ない
(2)できるだけ単純化して教える
(3)教える順番を工夫する
    単純なものから複雑なものへ
    大事な順に教える
    場面順に教える
(4)具体と抽象を織り交ぜる
(5)説明は「新聞記事の要領」でするとわかりやすい
(6)無理やりにでも整理する
(7)二項対立を明確んきする
(8)初心者には専門用語は使わない
(9)必要不可欠な「なぜ」を説明する
(10)学ぶ側に参加させるための質問をまじえる
(11)上手なたとえ話を使う

☆新聞記事の要領…新聞記事と同じように、最初に大まかな全体像を示し、次にもう少し詳しく説明した後で、詳しく説明していく。最後にもう一度繰り返してまとめる。図式化すると次のとおりだ。
1.ごく大まかに一つの文章で全体像を示す
2.もう少し詳しく全体像を説明する
3.もっと詳しく、全体を説明する
4.最後にもう一度、全体をまとめる


2009年5月5日火曜日

覚え書き


指導教官の佐々木敏先生(東大・社会予防疫学)が書かれた<学会抄録のチェックポイント>基本的なことですが、とても大切なことです。忘れないように…覚え書き。


タイトル
・具体的な用語を使っているか
・略語は使っていないか
・実施した研究内容が想像できるか
・「AとBとの関連」(観察研究)、「AがBに及ぼす影響」(介入研究)、
 「…の一例」(症例報告)のように、単純明快な文章構造か

はじめに
・背景(一般論・経験・先行研究)、研究目的、研究内容概略がそろっているか
・背景は直接関連する事柄に留められているか
・一般論と経験は、最小限に留められているか
・先行研究は引用されているか
・研究目的と研究内容概略は具体的に書かれているか
・研究目的と研究内容概略は今回の発表内容に限定されているか

方法
・短すぎないか
・第三者が読んで行われたことを具体的にイメージできるように書かれているか
・対象者、方法(調査方法・測定方法)、介入方法(指導方法・治療方法を含む)、分析(解析)方法に大別されているか
・対象者は人数を明確に(研究参加者数と分析対象者数は異なる)
・分析(解析)方法は検定方法だけでなく、群分けの方法やその他、分析・解析に必要な情報を書く

結果
・長すぎないか
・作業仮説(研究目的)に適ったことだけに絞られているか。
 作業仮説(研究目的)に沿っていないものは、その研究内で行われたものであっても記述しない
・内容は方法に書いたことだけに限られているか
・記述は具体的か(者がいた→「人」、多かった→有意差の有無と程度を書く)

考察
・長すぎないか
・先行研究との比較は書かれているか
・弱点・欠点・限界が書かれているか
・結果を自分の都合が良いように評価していないか
・今回得られた結果が実際の現場でどのような意味を持つのかについて書かれているか
・今回得られた結果から言える範囲を超えて、現場での利用可能性について言及していないか(今回の研究で得られた結果、言える範囲に留めるべきである)
・これからの研究の方向性について書かれているか

まとめ
・この研究から逸脱した一般論が書かれていないか
・結果を誇大宣伝していないか
・タイトルとの整合性があるか

2009年5月2日土曜日

【本】「健康食」はウソだらけ

<三好基晴・祥伝社新書>

講義で「食品安全評価学」を学んでいる時
なので、思わず手にしてしまいました。

特に「1日摂取許容量(ADI)は安全でない」というところ…
公の機関の人たちはADIは安全!ということを強調されますが、私もやはり素直に「安全」とは思えない。なぜなら、長期間食べ続けた時のデータ(人間を対象とした)は、この世に存在しないからです。

著者は…
「動物事件で最大無採用量といっても、まったく無作用で無毒は言えません。
食品添加物を投与されて頭が痛くなったり、気持ちがイライラしたり、嘔気が
したりしても動物は訴えることができません。
また、動物実験で観察できる病気は限られており、人間が発病する多くぼ病気をすべて確認することはできません。アルツハイマー病、うつ病、アレルギー、化学物質過敏症などは動物実験では確認しにくいのです」と書かれています。

自分の口の中に入れるものは、最終的には自己責任
いつも心に留めておくべき言葉は…

YOU ARE WHAT YOU EAT

言葉(9)


思考のパターンを変える方法
  ↓
言葉を変える
  ↓
否定的なことを一切口にしない

言葉が思考をつくり…思考が現実をつくる
(思考よりも言葉の方がエネルギーが強い。言葉をポジティブなものに
変えることで、思考のパターンも変わる。すると取り巻く現状も変わってくる)

   言葉は大切

セミナー(2009.4.29)











セミナーって意外と苦手…
でも今回はなぜか?行ってみようかなと思った。
「自分の好きなことで起業する=自分自身が広告塔」
この言葉一番印象的だったかな。

▲起業できる人の特徴
1)エンジンをもっている
2)戦略とプランをもっている
3)人を喜ばせることを考える
4)周囲の人に応援されている
5)静かな自信に溢れている

▲好きなことで起業して失敗するパターン
1)商品・サービスのウリがない
2)お客さんのニーズに合っていない
3)利益を生む形になっていない
4)お客さんとの関係が築けていない
5)お金を受け取ることに抵抗がある

自分の今いる現在地と次のステップに行くための必要なこと
好きなことで起業する場合、茨の道をふまない
〜理想は気づいたら起業していた、成功していた〜

●商品サービス設計
1)商品・サービスになる「好き」とは?
2)複数の「好き」「得意」をかけ算してみる
●ビジネスモデル
1)ビジネスモデルとは、利益を生み出すメカニズム
2)同じ商品でもビジネスモデルが違えば全て違う
  全国で勝負するのか?
  エリアで勝負するのか?
  商品で勝負するのか?
  技術で勝負するのか?
  どんなお客さんとつきあいたいのか?
3)自分のビジネスを売り込むためのフレームワークがある??

〜まず、自分の理想を描いてみよう!!〜

●マーケティング
1)商品の適切なメッセージを発すること(圧倒的なウリのメッセージ)
2)対象とする人に適切な方法で届ける(その人の目線でメッセージを届ける)

▲好きなことで起業へ向けて
1)自分の好きを洗練させる
2)日常の中でビジネスセンスを高める
3)日常の中で“好きで起業”に情熱を注ぎ続ける
4)“好きで起業”を目指す仲間と学ぶ
5)今からできることから行動する

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     <今日のセミナー講師>
・しっかり聴衆を見ている=アイコンタクトがうまい
・カツゼツがクリア=耳障りな音がない=聴きやすい
・記述させている間に「音楽」流す(静かな穏やかな音楽)
・グループワークの際の時間をちゃんとタイマーで測っている
 (構成をくずさない)
・話している途中に体左右にゆれる→NG=見ている人からは落ち着きなく見える
・講師自身も色々なセミナーに参加している(セミナーお宅?)
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【本】おいしいハンバーガーのこわい話

<エリック・シュローサー、チャールズ・ウィルソン(著)・草思社>
本の帯には「食べる前に知っておきたい、とても大切なこと」と書いてありました。
<目次>
第1章 ハンバーガーはこうして生まれた
第2章 子どもは大事なお客さま
第3章 マックジョブってなんのこと?
第4章 フライドポテトの秘密
第5章 スカッとしない清涼飲料の話
第6章 牛や鶏はどんな目にあってる?
第7章 ファーストフード中毒
第8章 きみたちにできること

●…広く使われている化学添加物は、ひとつひとつは安全なのかもしれない。
だが、食事のたびにさまざまな添加物をいくつも食べ合わせた場合に安全かどうかは、わかっていない。「食べてすぐに死なないのだから安全なはずだ、と言われています」毒物についてくわしい、イギリスのリヴァプール大学のヴィヴィアン・ハワード博士は言う。「けれども、それはまちがっています。個人的には、子供には食べさせないことを勧めます」

●…ファストフード・チェーンのマーケティングがうまくいったせいで、 アメリカ人は現在、30年前に比べておよそ2倍の清涼飲料を飲んでいる。 1975年には一般的なアメリカ人は年間約100リットルの清涼飲料を飲んでいた。 それがいまや、一般的なアメリカ人が朽ちにする清涼飲料の量は年間約200リットル。 350ミリリットルの缶の清涼飲料を一人あたり年570缶以上飲んでいる計算になる。

●…清涼飲料はたしかにおいしいが、子供にはしょっちゅう飲ませるのは感心 できない。何人かの批評家は、これを“液体のキャンディー”と呼ぶ。コカコーラ、 ペプシ、マウンテンデュー、ドクターペッパーには、カフェインも入っている。 子どもが摂ると、怒りっぽくなったり、頭痛を生じたり、眠れなくなったりする 薬物だ。

●半ダースもの缶入り清涼飲料を毎日飲むエスキモーも、めずらしくはない。 甘い味が好きだから、という理由だけでたくさん飲んでいるのではない。 水道設備が整っていない村では、今だに井戸か溶けた雪から水を得なくては ならず、そうした水はふつう、あまりおいしくない。そして多くの店で、 清涼飲料はボトル入りの水よりも安く売られている。

●食肉に加工される雄の牛肉は、スティア(去勢牛)と呼ばれる。スティアは 肥育場で過ごす間、平均して1300キロあまりの穀物を食べる。なのに増える 体重はわずか180キロほど。その間、かなりの量の排泄物(糞と尿)が生じる。 スティアが1頭が出す量は、1日23キロ以上。人間と違って、牛の排泄物は 下水処理場には送られない。貯留槽に捨てられる。この巨大な糞と尿のプール を業界では“ラグーン”(貯水池)と呼ぶ。

●アプトン・シンクレアの「ジャングル」

●米国科学アカデミーの調査員たちは、人間が食べてもいいトランス脂肪酸の量を 調べて、驚くべき結論に達した。いっさい食べないほうがいい、という結論だ。

【本】身体革命

<根来秀行・角川SSC>
サブタイトルが「世界最先端のアンチエイジングの法則」
ハーバード大学医学部客員准教授の著者が、エビデンスを
紹介しながら、食や運動、健康習慣について述べています。

●若さを保つ5つの法則
1.細胞を大切にすること
2.体本来の能力を十分引き出すこと
3.良いものを体内に取り入れ、悪いものは体内に入れないこと
4.体内の悪いものを消し去る、あるいは、体外に追い出すこと
5.明るく楽観的に生きること

●若さと美しさを保つ食習慣の5つの法則
1.カロリーリストリクションを実践する
2.インスリンを低く保ち、炭水化物は低GIと後回し摂取を
  (具体的には、まず野菜や海草類を食べ、次に肉や魚などの蛋白質を摂り、
  最後にご飯、パン、麺類などの炭水化物を摂る)
3.若さを保つ抗酸化食材を摂る。目印はカラフルな色
4.免疫力アップの食材を摂る。
5.十分なビタミン・ミネラルで美肌に

●噛むことの効用
噛むという行為によって唾液の分泌が盛んになり、より細かく噛み砕かれたものが唾液と混ざりあうことによって、食べた物の消化が数段良くなります。そして、よく噛む方は食べるのに時間を要するため、その間に血糖値が上昇し、早く満腹中枢が満たされることになります。さらに食べ始めて20〜30分後から、レプチンというホルモンが全身の脂肪細胞から分泌されます。レプチンはお腹がいっぱいになったことを脳に伝える大切なホルモンですが、これが脳に伝わると脳の視床下部にある満腹中枢を刺激し、食べるのを止めてエネルギー消費のプロセスに写移るように指令を出すのです。ゆくり噛んで食べることで、このレプチンの分泌が促され、全身の基礎代謝も上昇します。

また、よく噛むことによって脳下垂体から食欲を抑制するヒスタミンの分泌が増加し、結果的に総カロリー摂取量も抑さえられます。唾液中にあるペルオキシターゼという酵素が、食べ物中に含まれる発がん物質の毒性を低下させるという報告もあります。さらによく噛むことにより、食後2時間後に十二指腸からコレシストキニンという物質が分泌されます。このコレシストキンンにはいろいろな作用があり、たとえば、記憶や学習にかかわる海馬に働きかけるため、脳の活性化に役立つことになります。さらに、コレシストキニンは脳内においてドーパミン作用を抑さえる働きがあり、ふたんを減少させ、精神を安定させる作用もあるのです。そして、噛むという運動自体が脳に刺激を与え、セロトニンという神経伝達物資の分泌が増加します。セロトニンには気持ちをリラックスさせることによって、ストレスを解消する働きがあります。よく噛んで、ゆったりと食事をすることには精神面でもとても良い傾向をもたらします。


<沖縄の平均寿命>
沖縄の男女は平均寿命が日本一をキープしていたのですが、1995年に沖縄男性の平均寿命は低下傾向を示し、2000年には何と全国26位にまで転落してしまいました。早速、沖縄県では原因究明のための調査研究が行われてました。この研究調査は2003年から04年にかけて行われ、30歳から79歳までの男女7000人についての統計がとりまとめられ分析されました。その結果、男性の約70%、女性の約50%に高血糖が認められたのです。急速に欧米化してしまった食生活と欧米的に車社会になってしまい、歩くことが少なくなってしまったことが原因と結論づけられました。実際、沖縄県の人口当たりのファーストフード店数は日本一と言われています。つまり、沖縄県民を取り囲む食習慣と運動環境の悪化が、沖縄県民の平均寿命を下げてしまったということになります。そもそも、元来の沖縄の食生活は長寿に理想的と考えらるものでした。その沖縄の中でも、特に長寿の村と考えられている大宜味村では秋田農村に比べ

(1)約3倍の肉類を摂取 
(2)緑黄色野菜摂取量が3倍多い
(3)豆腐など豆類の摂取が1.5倍多い 
(4)果実類摂取が多い 
(5)食塩の摂取量が低い 
(6)米が主食 
(7)魚タンパク摂取が多い、魚油摂取が多い 
(8)海草摂取が多い 
(9)大豆摂取が多い、
などといった食生活の特徴がありました。これらは健康長寿食のお手本の一つといえます。ところが、このような沖縄の伝統的な食生活が食の欧米化に伴って崩されつつあるというわけです。