2011年12月4日日曜日

(40)言葉
















<五木寛之さんの言葉>

…これを禅の考え方に照らせば
「四百四病はカラダの中にある。
外から来るものではなくて、
それが表に出るだけなのだ」
ということになります。
人間は生まれた時から死に向かい、
腰痛をはじめ四百四病を抱えて生きる
ことが宿命である—それを治めて表へ
出さないように工夫して生きていくのが
「養生」なんですね—。


…自分のカラダの声を注意深く聴いて
いますと、実はそういった様々な変化に
気がつくんですね。まさに養生とは実感を
通した生き方の工夫であり、心掛けであり、
追求していくと、この世にたった一つの自分の
身を愛うことに収斂されていくんです。

…今、このように生きていられられることも
不思議でなりません。しみじみ感じるのですが、
人は生きているだけで十分にすばらしいんです。
生き続けることに価値があるんだと改めて
思いますね。生きたくても生きられなかった人の
分まで感謝を持って生きる。それが供養であり、
生命を慈しむことなのではないでしょうか。
心とカラダを一体にして生を養うとは、
常に自分と向き合い、与えられた生命を丁寧に
生きることにほかなりません。

人間は当然、変化します。
僕は朝起きた時に、
「生まれた」と思うんです。
寝る時は、
「今日1日良かった、これで自分の
人生が終わる」という日々の繰り返しの中にいます。