2010年3月14日日曜日

【本】リンゴが教えてくれたこと
















リンゴが教えてくれたこと
<木村秋則・日経プレミアシリーズ>

無農薬・無肥料でリンゴを作った木村さんの
「自然栽培」に取り組んだ話をまとめてあります。
感動と尊敬…まずこの2つの言葉が思い浮かびました。
物事をしっかり見ることの大切さを教えてくれ本です。

・私は全国の農家の人にこう言っています。
みなさんの体にリンゴ一つ、お米一粒実らすことができますか。
人間はどんなに頑張っても、自分ではリンゴの花一つ咲かせられません。
米を実らせるのはイネです。リンゴを実らせるのはリンゴの木です。
主人公は人間ではなくて、リンゴの木やイネです。人間はそのお手伝いを
しているだけです。そこを十分わかってください、と。

・当時、私は自分がリンゴを作っていると思い上がっていました。
失敗に失敗を重ね、この栽培をやって知ったことは、私ができるのは、
リンゴが育ちやすいような環境のお手伝いをすることぐらいということでした。

・おふくろは失敗してもやめなくていいと言った。
「信じた道を歩けばいい」
戦前の人でろくに学校も出ていないのに、ふとした時にいいことを言う。
「貧乏してもいから、路傍の石のように生きろ」と。
山本有三の本を読んでいたのでしょう。吾一少年にたとえれば
「たったひとりしかない自分を、たった一度しかない人生を、
本当に生かさなかったら、人間、生まれてきた甲斐がないじゃないか」。

・やれないのではなく、やらないだけです。

・私はサラリーマン時代に、原価計算などの仕事で経営の効率化を追求した
人間の一人です。だけで農業というのは、非効率なやり方が実は最も効率的に
なることもある不思議な世界です。私は効率を求めない方法をとりました。
それは土を守り、作物を守るためです。
—効率良くというのは人間の勝手な都合です—

・農業は人間のやさしい心を育みます。

・もし自分がキャベツだったら、トマトだったらと自分を置き換えて
野菜と接すれば、対人関係でもやさしさが戻ってくることでしょう。
相手を自分のように考えれば心がやさしくなります。

・「土を作るということは人づくりだよ。」いつもそう思います。
土には作物をもたらし、人の心を癒してくれる働きがあります。

・人間が及びもつかない自然のスケールの大きさをじっくり学ぶべきです。

・手間暇惜しむものにいいものなし

・この地球は一人の所有物ではなく、数十億といわれる人間だけのもの
でもありません。目に見えないもの、虫、鳥、魚、草や木など、宇宙の星よりも
多いかも知れないすべての共有財産です。

・奇跡は努力の結晶だと言います。
簡単にできたら慰労はありません。
一つずつ壁を越えて階段を上がっていくごとに、
また新たな壁が生まれます。どうしたら壁をクリアできるのか。
知恵を振り絞っていくところに人生の意義があります。

・至誠至天

・木村さんの自然を観察するの能力は、学者も及ばないところがある。

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