2008年12月21日日曜日

【本】食べ物を変えれば脳が変わる


<生田哲、PHP新書>

著者は薬学博士、リファレンスのペーパーもきちんと
提示してあり、とても興味深い1冊でした。

第1章 あなたの人生を左右する食べ物
第2章 脳を快適にはたらかせる栄養素
第3章 脳に悪い食べ物
第4章 脳にいい食べ物
第5章 うつを撃退する栄養素
第6章 脳をダメにする物質と、その解毒法




●白砂糖の食べすぎは脳に悪い
 …ベネトン教授は、血糖値の急激な低下によって、注意力が散漫になったり、記憶力が落ちたり、
 攻撃的な行動にむすびついたりすることを述べている。
  ↓
…白砂糖に打表される高度に精製された糖類を大量に含む食べ物は、脳の快適運転に芳しくないから、摂取をできるだけ控えるのがよい。それはまず、第一に、高度に加工することにより、食べ物から甘さだけを抜き出し、残りの微量栄養素を捨て去っているからだ。そして第二に、白砂糖、ブドウ糖、シロップなど、高度に精製された糖類はどれも食べた直後に血糖値を急激に上昇させる「ファストリリース」であるからだ。
  ↓
…白砂糖の過剰な摂取が、攻撃的行動、不安、多動、集中力の欠如、うつ、摂食障害、疲労、学習障害を引き起こしやすいことは、多くの研究者が報告してきた。


●急増するアルツハイマー病
 危険因子その一 過剰なエネルギー摂取
…アルツハイマー病の危険因子が解明されつつある。危険因子、その一は、糖尿病である。九州大学医学部の清原裕教授のグループが福岡県糟屋群久山町で、六十五歳以上の住民八〇〇人を対象に血糖値と認知症・アルツハイマー病との関係を調べたところ、糖尿病とその予備軍は、そうでない人にくらべてアルツハイマー病になるリスクが四・六倍も高くなっていた。
  ↓
糖尿病→高血糖による血管ダメージ→βーアミロイドの蓄積


●DHAのはたらきを妨げるトランス脂肪酸
 なぜトランス脂肪酸がいけないのだろう。それは、食事から摂取されたトランス脂肪酸は、脳に運ばれ、しかもDHAのすぐそばに入り 込み、脳の思考プロセスを混乱させるからである。しかもトランス脂肪酸は酵素のはたらきも邪魔するので、必須脂肪酸のγーリノレン 酸、DHA、プロスタグランジンといった脳に欠かせない物質へのモデルチェンジも妨げてしまう。

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